マール・ハガード死去

Posted on 2016年4月8日金曜日


ボブ・ディランが来日中です。
東京三日目のセットリストは二日目と全く同じ。

4月6日はこれまでの三日間の中でベストと言ってる人がいた。
連日変わらず出来がいいのは Duquesne WhistleMelancholy MoodPay In Blood の5〜7曲目のようだ。
「4日の Duquesne Whistle が最高」という感想や、5日のショーでは曲と曲の間でドリンクを飲むことが多かったらしく「病気じゃないよね?」と心配する声、「ディランの声はセンセーショナルだがこのセットリストは100回聞いた(※固定リストのことですね)」とがっかりする人と、印象は様々だ。

さて、あなたのディランは?

次の公演は4月9日宮城。




6日、カントリー界の伝説マール・ハガードが亡くなった。死因は肺炎による合併症。
79歳の誕生日だった。


若い頃に家出し、強盗の罪で刑務所に入ったマールは1958年の元旦、服役中のサン・クエンティン刑務所で慰問に来ていたジョニー・キャッシュが歌うのを聴く。マールはその頃から音楽の道を志すようになる。
1年後、仮釈放されたマールは夜の酒場に立つようになる。ハンク・ウィリアムスやレフティ・フリーゼルに憧れたマールは、ポップな「ナッシュビル・サウンド」とは真逆の、ホンキー・トンクにエレキ、ドラムのビートを加えた「ベイカーズフィールド・サウンド」の立役者となっていく。

代表曲 Sing Me Back Home は服役中にギターが弾けるハガードに「母親がよく歌ってくれた歌を俺に歌ってくれ」と死刑囚からリクエストされた実話から生まれた。

Sing Me Back Home  live in 2009



Sing Me Back Home 

The warden led a prisoner down the hallway to his doom
I stood up to say good-bye like all the rest
And I heard him tell the warden just before he reached my cell
'Let my guitar playing friend do my request.' (Let him...)

Sing me back home with a song
I used to hear Make my old memories come alive
Take me away and turn back the years
Sing Me Back Home before I die

I recall last Sunday morning a choir from 'cross the street
Came to sing a few old gospel songs
And I heard him tell the singers 'There's a song my mama sang.
Can I hear once before we move along?'

Sing me back home, the song my mama sang
Make my old memories come alive
Take me away and turn back the years
Sing Me Back Home before I die
Sing Me Back Home before I die


この歌はボブのラジオ、テーマ・タイム・ラジオ・アワーの「Jail(刑務所)」の回でも流れている。

1994年にカントリーの殿堂入り。

年を取ってからも最近まで精力的にツアーを続けていたマール。しかし体調不良のため4月からのツアーを中止していたようだ。

2005年にはボブとアメリカツアーを回っている。

と言っても、一緒に歌ったりしたわけではなくてボブが登場する前のステージで1時間程歌っただけ。それって前座…?まぁそれはともかく、やはりレジェンドに対する拍手喝采はすごかった。

マールの死を受け、同じカントリー界の大家であり友人のウィリー・ネルソンがツイッターで悲しみを述べている。
「彼は友人であり、兄弟だった。彼を惜しむことになるだろう」

1980年に映画『ブロンコ・ビリー』でデュオを組んだクリント・イーストウッドも「我々はレコーディングスタジオで楽しい時を過ごした。曲はあの時代のナンバーワンになったよ。マールは常に最も偉大なクラシックカントリーアーティストの一人だ。心から惜しまれる。」とコメント。

マールの最後のアルバムは2015年の「ジャンゴ&ジミー」で、ウィリー・ネルソンとのコラボになっている。


2004年 左からボブ、マール・ハガード、バック・オーウェンズ

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